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高輪 英国風カレー「サンライン」LinkIcon

英国風カレー(立体写真)
 90年代前半、名古屋の白川公園の隣に位置する名古屋科学館で「ARTEC」と言うメディアアートの大展覧会がありました。初日を迎える1週間前の準備期間中は、当然、作家本人が与えられたスペースに作品のセッティングします。ワタクシの作品「Realtime Boggle Planet」という、高さ2m x 幅2m x 奥行き4mの巨大万華鏡を使った立体作品で、バックヤードに仕込んだコンピュータに画像処理をさせて、観客が訪れるたび、その人の動き、着ている服の色や形を小型カメラでリアルタイムに捉えて刻々と変化する立体万華鏡のサイケデリックな表情を楽しむと言う作品。「Realtime Boggle Planet 1993」  画像クリックで映像が見られます組み立てや調整も案外大変です。作品のセッティングが終わった後は、毎度ですが、その地域に必ず旨いカレー屋が有るはずだと徘徊し、いくらお腹が空いていても見つかるまで歩き倒すのが趣味なのですが、この日は歩けど歩けど全く見つからず、疲れ果て、もう食事は何でもいいやと完全に諦めました。その頃の日本はインターネット黎明期。iPhoneが発売される20年前ですから、パッとお店を調べる事も出来ません。よし今夜は科学館の並びにある山本屋の味噌煮込みうどんに一味唐辛子を死ぬほどかけて笑ちゃうか、または、いばしょうの櫃まぶしに山椒をドドッとかけてお腹いっぱいになってホテルへ帰って眠るか、そのどちらかだ、と腹が決まった矢先、鼻先にプ~~ンとかすかにスパイスの良い香りが漂って来るではないですか。もう鼻センサー全開、タテヨコ縦横無尽に歩き、遂にその香りのアジトを突き止めました。やはりこの方法は正しいですね。2時間以上徘徊した末、やっと探し当てたお店の前のウインドウにはこう書いてありました。「英国風カレー サンラインは本日閉店致しました。皆様には格別なご贔屓を頂きありがとうございました」と。な・なんと!残念至極。カレー屋さんが有ったのに無い?。このガッカリ感は半端じゃありません。でも入口のドアには「医食同源」と書いたハガキが沢山刺さっていました。読んでビックリ、おいおい、なんだよう。本店は東京高輪の魚藍坂にあるんじゃないか!。そのハガキを大事に持って帰ったのは言うまでもありません。東京へ戻ってハガキの住所へ行ってみると、有りました。「英国風カレー サンライン」の看板が。名古屋で食べられなかったカレーがやっとここで食べられる。ドアを開けるとカウンターの奥に座っているおじさんがこちらをジロリ。あ、この方が医食同源と筆で書いた張本人、マスター・オブ・サンラインだと直感。今まで鼻で見つけたカレー屋さんは数あれど、こんな独特なカレーに出会ったのは初めてで大当たり!肉が入っていないビーフカレーってスノッブ過ぎる!当たり前のことだけど、どこかで食べたことがあるようなものをリアレンジして出すのではなく、0から1を生んだ人、オリジナルを考えた人がやはり一番エライんだと思います。ラーメン店によくあるインスパイア系って、いったい何なんでしょうね?モノマネはモノマネ。唯一無二の存在になるには優れた感性と探究心が必要ですよね?。食も人間の命を繋ぐメディア。やっぱりそこへ到達しようとするのがメディア極道ってもんでしょう!何かを発見するまで粘り続ける精神はアートでもカレーでも、どんな世界でも全く同じはずだと思いますが・・。

三軒茶屋「SUNVALLEY HOTEL」LinkIcon クリックしてお店のツイッターを毎日チェック!



ベジ・ミールスハイデラバディ・マトン・ビリヤニ     (立体写真) 祝!東京のインドカレー界にニューウェーブ登場! 今、東京で一番ヒップでワクワクする本格的なインドカレー食堂、それが三軒茶屋「サンバレーホテル」です! 左側の写真のランチ「ベジ・ミールス」を見てください。美しい!これは何? スパイス時計? 大皿の真ん中に鼻を突き出して、それぞれの小皿から立ち昇る香りをおかずに、ご飯をムシャムシャ食べられる嬉しさ。五感全てを使って楽しめるランチプレート。まさに香りの美術館です。パレットに並んだ食べられる絵の具をつまんで、ジャクソン・ポロックの絵画のように、好きなだけバスマティライスのキャンバスに飛ばし、垂らし、こすり、ぐちゃっと混ぜ、握リ、シュポンッと口へ。ひと口食べたらもう最後まで手が止まりません。日本ではあまり嗅ぐことが出来ない香りがたくさん使われていて、それを探し出すだけでも時間を忘れそう。お鼻の体操にもとてもよろしいです。インド料理は香りを鼻で食べる料理だと聞くけれど、正にこれがその事ではないかなと実感する逸品。鼻をくすぐる繊細なスパイスと食材の持つ香りと旨味が溶け合わさった風味絶佳。何を食べても5つ星の旨さです。

 全てのメニューがオススメなのですが、12時からのランチなら、日替わりの各種ビリヤニが超絶に旨いです。(お店のツイッターをチェック)19時からのディナーなら、サラッとしたグレービー(カレーソース)の中に、まるでタクラマカン砂漠で馬に乗った遊牧民が打った羊のジビエのような骨つきぶつ切りワイルド肉がゴロゴロ入った「マトン・カレー」と、普段、肉が入っていないカレーは食べ応えがないから頼まないという人(特に男子)にこそ食べて欲しい、やさしくホンワカした味なのに野菜の旨味にビックリするほど満足感が味わえる「ベジ・クルマ」の両極端を選ぶと楽しめます。

 こちらの鈴木洋平料理長のセンスは、ある意味インド人を超えてます。超えていいのか解りませんが(笑)。その腕前は東京インドカレー界の「道場六三郎」と言っても過言ではないです。ともかく皆さん、早く行ってください。食べれば解る。ヤバいですから。もう南インドだ、北インドだと言ってる場合じゃなくなりました。2016年の5月5日に開店されたたそうですが、既に老舗の品格が漂っています。遂に姿を現した東京インド食堂「サンバレーホテル」。このお店の味こそ、日本人がハイレベルで実現した東京インドカレーの新機軸ではないでしょうか?
料理長から教えていただきました。本場インドではビリヤニには必ずコーラなのだそうです。 一度はお試し下さい。 相性の良さにビックリします。タミルナードゥ・ノンベジ・ターリー(立体写真)ハイデラバディ・チキン・ビリヤニ(立体写真)ケララ・フィッシュ・ビリヤニ(立体写真)

那覇 「レトロギターズ & カレーカフェ ギタ・ギタ」

チキンカレーにご満悦のウクレレ2 (お皿もカッコイイ!) ドアを開けた瞬間、脳天に衝撃が走った体験が今でも忘れられません。目の前には夢の中で何度も見ていたかのような風景が広がっていました。生涯忘れない特別なお店です。店内に入るとまずインドカレーの良い香りがプワーンと身体を包んでお出迎えしてくれます・・、が、え?、もう一度、えっ?ちょっと待ってよ!なに~っ?見ると店の入り口からずーっと奥の壁まで世にも珍しい国内外のレトロなデザインの本物のヴィンテージ・エレキギターが樹木のように立ち並んでいるではないですか?!ここはギターの樹海ですか?。遭難してもいいですか?ってそうです、普通のカレー屋さんではないのです。珍しいレトロ・ギターを眺めながら旨いインドカレーが食べられる唯一無二の店、「ギタ・ギタ」です。カレーが脂っこくてギタギタしているわけではありません(笑)。サラサラした実に旨いインドカレーが出てきます。店内のギターはどれでも自分の席へ持って来て、チャカポコ弾きながらカレーを食べてよいのです。しかもアンプにつないで!。ありえます?こんな店?ご存知ハードロック・カフェや、ロンドンのビル・ワイマンのバーなどにも楽器はいっぱい飾ってありますが、弾かせてもらえない上に、カレーも無いですから、笑。こちら「ギタ・ギタ」の店内に置かれている100本以上のヴィンテージ・ギターは、オーナーのジローちゃんのセルフ・コレクション。インドカレー担当は映画フリークのチャーリー。フロアー担当はスリムなミニスカ・ロック姉ちゃんのミドリちゃん。ルパンと次元と不二子ちゃん?。このワンダースリーが切り盛りする夢のようなお店。この世界観を完成させるのは簡単ではありません。実際この「聖なるカレーの館」に一番ピッタリ来るお店ですね。残念ながら現在は閉店(P-Model の平沢進さん流に表現すれば、凍結?)していますが、ある日突然、復活(解凍)するかも知れません。いや、きっとしてくれることでしょう!

「ウクレレ PAITITI THE MOVIE」に「ギタ・ギタ」店内の様子がバッチリ収録されています。
よろしければDVDを観てご確認ください。ジローちゃんも、チャーリーもチラッと登場しています。

Youtubeの予告編をご覧になる場合はここをクリック!

神宮前 ヘンドリクス カリー バー LinkIcon


定番! ポークカリーマトンカリー とても居心地がよくつい長居をしてしまうお店「ヘンドリクス カリー バー」は、以前、ウクレレ・パイティティ・ザ・ムービー原口智生監督)のインタビュー・シーンの撮影で大変お世話になりました。こちらのカリーは、ポーク、チキン、マトン、マトンキーマ、ベジタブルと種類が豊富で、どれを頼んでもとても美味しい。サイドメニューも美味しい。ワインも美味しい。カリー好きがやっぱり今日はここに来て良かったと安心する、美味しさ尽くしのカリー・バーです。お店に入ってまずカレー。好きなお酒をいただきワイワイやりつつ、締めにまたカレー。2度食べても飽きないビターテイストな大人のカレーが楽しめます。お店の名前を再確認してください。店内に響き渡る音楽も最高です!

神宮前 BLAKES (GHEE)LinkIcon


ビーフカレー(激辛)ビーフカレーとミルクカレー 原宿 GHEE(ギー)の赤出川シェフが神宮前に「BLAKES(ブレイクス)」をオープン。その場所が、今東京で一番ヒップなクラブ「バー・ボノボ」の真向かいだと言うから驚きました。そもそも初代GHEEは元祖萌え系ドレスで有名なブランド、シャーリー・テンプルのお城型本社ビルの真向かいに有りましたよね?。なんか、時代時代のヒップな場所とカレーって、とても相性が良いのでしょうか?。引き寄せの法則?。でもよかった。やっとと堂々と本家のカレーが食べられます。新メニューのミルクカレーや、ほうれん草のカレー(夜だけ)も加わって、ラインナップが賑やかになりました。しかし、GHEEと言えばビーフカレー(激辛)です。先ずはこの味にしっかりヤラレたあと、真向かいのバー・ボノボに潜り込んで踊り狂いましょう!

インデアンカレー(東京駅TOKIA店)LinkIcon


インデアンカレー  「大阪でカレーと言えばここだよ」と、大阪に非常に詳しい食通の大先輩に勧められ、難波、法善寺横町西の本店で初めて食べたのが30年ほど前。街角で見かけるスタンドカレーかと思って食べたら大間違い。個性的な旨さでビックリでした。大阪へ行くたびに必ず足を運び、幸せになって帰って来ることを繰り返していましたが、その味が東京でも食べられる様になって、万歳三唱です!ここ10年ぐらいで東京駅周辺に本格的なインドカレー専門店が次々と出店し、今やカレー激選区になってしまいました。時間に十分余裕があるならまだしも、新幹線に乗る前、降りた後、東京フォーラムのコンサート前など、それほど時間は無いけど何か食べるなら?、やっぱりカレーだよな!という時、ササっと行って、パパッと食べられるインデアンカレーの存在は貴重です。注文からカレーが出て来るまでのプロセスをお腹をすかして静かにカウンターから眺めるのがすごく楽しいお店です。ライスの盛り付けから、ルーがけまで長い修行が必要だそうですが、見れば納得しますよ。注文通り、ほんの数秒で決まった形にライスを盛り付け、姿勢正しく背筋を伸ばし一発でルーがけを決める店員さんの技には惚れ惚れします。とにかく旨いんで、以前はカレー・ルーばかりが進み、ライスとのバランスを取りながら食べるのに苦労してたんです(笑)。でも今は、ライス普通、ルー・ダブル、生たまご1つ。これでしあわせ2倍増し、一件落着でございます!つい先日、お腹をすかして歩いていると、街中のスタンドカレー屋さんが全てインディアンカレーになっているという、夢のような夢を見てしまいました(笑)

ルー・ダブル + 生たまご

※ 3倍しあわせになれる、ルー・トリプルもあります、笑!

南インドダイニング「ポンディ バワン」LinkIcon

 武蔵新田
ランチ・ミールス どこへ行くにもほとんど車!というパイティティのウクレレ2こと洞口依子嬢がドライブ中に発見した、環八沿いに佇む南インドカレー専門店がこちら「ポンディ バワン」。最近〇〇○バワンというインド料理店を見かけるようになりましたが、バワンとは家のことらしいです。オーナー・シェフのアントニーさんのご出身は南インドのケララ州の右側に位置する、タミルナードゥ州のポンディシェリ地方であることから、屋号をポンディの家「ポンディ バワン」と名付けたそう。まだランチに1回しか行ったことがないのですが、カレーマニアが食べに行ってもほっと安心する、正真正銘の南インドカレーに出会えます。アントニーさんのオススメはランチ・ミールス。プラス150円でバスマティライスに変更出来るので絶対にバスマティライスを選択しましょう。バナナリーフに乗ったミールスには時計回りで、上からステンレスのカトリ(器)に入ったサンバル(黄色いの)、ラッサム(赤いの)、人参のポリヤル(炒め物)、ジャガイモ?と豆の粉とトウモロコシのつぶつぶが入ったワダ(揚げ物)、人参とトマト?のチャトニ、半分に割ったパッパル、プーリー(風船みたいに膨らんだ揚げパン)、プーリーに隠れて見えにくいですが細かく刻んだ大根のクートゥー(煮物)、ジャガイモのポリヤル、そしてセンターにドドドっとバスマティライス。(違っていたらスミマセン、のちに修正します)食後には、アントニーさん自らカップ&ソーサーを巧みにあやつり、空中でブレンドしてくれるチャイを頼むと楽しいです。実はワタクシ、チャイは甘い方が好みなのですが、こちらのチャイは、デフォルトでかなり甘さ控え目、とてもヘルシーです。他にも美味しそうなカレーのセットメニューが沢山ありました。そちらは次回まで楽しみにしておきます。

渋谷 ムルギーLinkIcon


ムルギー玉子入り  道玄坂下から坂を登って行くと右手見えて来る百軒店。その坂を登っているうちに、甘く香ばしい独特の香りが鼻をくすぐり始めます。この香りがサインとなり、ん?今日はやってるな?と確認出来ます。店のドアを開けた途端、身体ごとジワーッと昭和モダンなレストランにタイムスリップしてしまう。先代のあまりにも有名な、ゴッホのタンギーおじさんならぬ、ムルギーおじさん。キッチンを守っていた割烹着姿が良く似合う、メガネのおばちゃん。そして、店の奥にあった小さな白黒テレビで毎日再放送の大岡越前を見ながら、悪代官のセリフにいちいちツッコミを入れる声が漏れ聞こえてしまうので、時に店内が失笑の渦に巻き込まれるという、もしかしたらムルギーおじさん以上の強力キャラだったかもしれない(笑)刈り上げヘアースタイルが良く似合っていた、おばあちゃん。本当に大変お世話になりました。現在のムルギーは、ちょっとオシャレなデザートメニューも加わり、次世代のオーナーへしっかりと引きつがれました。説明不要の老舗の味、このまま永遠に続くことを願っています。

下北沢 般°若(パンニャ)LinkIcon


チキンとキーマのハーフ&ハーフカレー とにかく旨いです。カレーマニアが一口食べれば、即座にニヤッととする味。古今東西(少なくとも東京中)の激旨カレー店を食べ歩いた食通オーナーが、それらが持っている香りや味や食感や佇まいの特徴を上手く取り入れて、抜群のセンスでリデザインしたカレー。それがとても新鮮に感じます。厳選されたサイドオーダー・メニューも、シンプルに見せながらも実はかなり凝っていて、どれも膝を打つものばかり。どれを頼んでも、今、目前で食べ進めているカレーと賑やかに調和します。現在、下北沢で一番洗練された味を追求した「デザイナーズ・カレー」だと言わせて下さい。下北沢でカレーが食べたくなったら、まずパンニャへ向かいましょう。

 最近、お客さんが行列するようになったためか、食券購入方式に変わりました。

新宿 中村屋LinkIcon


純印度式カリー こちらが、石田が初めてカレーを口にした店、新宿 中村屋でございま〜す。70年代には3階にサロンの様な特別な空間があり、中学の美術の教科書に載っていた中村彝の油絵の実物がいくつも掛かっていました。尊敬する作家の作品をじっくり観賞しながら、ゆっくり美味しいカレーが食べられる大変贅沢な画廊レストラン。食べる時は必ずここ。中村彝の友人の洋画家、鶴田吾郎がある日、目白駅のホームで偶然出逢った盲目のロシア人バイオリニスト、エロシェンコ。そのエロシェンコを中村彝の自宅アトリエに招き、鶴田吾郎と2人で左右からとっても素晴らしい肖像画を描いたのです。中村屋3階に掛かっていた絵は、鶴田伍郎が右側から描いた「盲目のエロシェンコ像」の方で、この肖像画を何度も何度も見に行ったものでした。左側から描いた中村彝の「エロシェンコ氏の像」は、竹橋にある東京国立近代美術館に収蔵されています。常設コーナーにある靉光の傑作「眼のある風景」と同じ壁面に掛かっていて、いつでも見る事が出来たのですが、今はどうなんでしょうか?

よだれが出る・・。 コールマンカリー

 

銀座 ナイルレストランLinkIcon


ムルギランチ 「まじぇて・まじぇて・じぇんぶ・まじぇて、たべなしゃ〜い、その方がおいしいから・・・、まじぇて・まじぇて・じぇんぶ」と、まだご存命だった頃の、初代A.M.ナイルさんがテーブルを回って指南していた御姿が今でも目に浮かびます。小学生の頃から通っていますが、いつからこうなったんだっけなぁ? ムルギランチだけが名物になってしまいました。ムルギランチ以外も旨いですよ。インド旅行の経験がある友人を初めて連れて行った時、おお、ここはテーブルの傾き加減まで、インドの街中にある大衆食堂そのものだ!と驚いていました。ナイルレストランに入って、店員さんとお客さんの間で繰り広げられるフレンドリーな会話に耳を傾けてみれば、誰しも納得するでしょう。店の椅子に座った瞬間に、あたりを観察している隙も無く、一瞬でナイル劇場の一員になっているはずです。そして、入り口から覗く初めてのお客さんが、またそれを目撃するのです。満席時の店内にカチャカチャ響く食器の音や、水を注ぐ音、おしゃべりの音のガヤガヤ5.1サラウンド音響の音質は最高。それも一緒にまじぇて食べれば、尚さらおいしい!銀座でありながら高級すぎない所が愛され続ける証でしょう。もう名前からして、カッコイイじゃないですか。とってもアットホームで、グルーヴィーな南インド食堂。ナイスレストランです!

笑顔がいっぱい!

麹町 アジャンタLinkIcon



ラッサム キーマカリーマトンカリー 高校生の頃(旧)九段本店にはよく通いました。武道館でコンサートを見る前には必ずここで、ご飯。70年代は英米ロック全盛期でしたから、クイーン、レインボー、KISS、グレッグ・オールマン、サンタナ、エアロスミス、ELO、無料で観たエンジェル(笑)、ジャズではキース・ジャレットなどなどなど、目一杯リアルタイムで楽しめた時代でした。当時、武道館で海外ロックアーティストの来日公演を楽しむためには決死の覚悟が必要で・・。毎回、身を引き締めて会場へ向かったものです。でもこれはアリーナ席が取れちゃった人のみに当てはまる事。当時のアリーナ席はチケットさえ取れてしまえば、A席だろうが、F席だろうが、Z席だろうが、席順なんて全く関係なかったのです。また、コンサートには必ず前座が付いていたイイ時代で、本国から売り出し中の新人バンドを連れて来る場合もあれば、名の知れた日本のロックバンドが前座で登場する事も少なくありませんでした。それを聴くのも大きな楽しみ。何度か行くうちに気付いたのですが、前座のアーティストは、PAの音量があからさまに小さいこと(笑)どんなに熱演していても、カシャカシャした低音の少ない音で、え〜? かわいそ〜っ、と思ったものでした。そして、いよいよ約30分の前座の演奏が終了すると、今までお行儀よく聴いていたアリーナ席全体が急にソワソワ・ザワザワ・モゾモゾ・ヒヤヒヤ殺気立ち始めるのです。メイン・アーティストの登場の直前!会場がドンッと暗転になった瞬間、一気にアリーナ席の客がステージ最前列目がけて暗中模索の猪突猛進。もうアリーナ席はぐちゃぐちゃ、もみくちゃの、混ぜまぜ人間、ケオス状態。そこへ来てPAの音量が3倍のド迫力に上がって、1曲目がスタート!会場は興奮のるつぼ。気力体力がある者のみ最前列へ辿り着き、かぶりつきで観賞出来るのです。こんな信じられない暗黙のルールが当たり前の時代でした。そのパワーを支えてくれたのがアジャンタ。アリーナ取れたら速攻アジャンタ! 九段駅から靖国神社へ向かって坂を上ると、武道館は左手、靖国神社の手前の道を右折したすぐ先の左側にアジャンタ本店がありました。とてもステキな白い洋館で、カワイイ階段をコツコツ上がって左側のちょっとしたインド雑貨コーナーを抜けると、その先でバーッと視界が開け、奥のキッチンでインド人のコックさんがゴトゴトと鍋を振り、カッコイイ炎を上げている。76〜80年ぐらいの話ですが、お決まりは、お得なセットメニュー。最初にラッサムが出てきます。食欲増進するあの酸味、あの未知なる香り(その正体を突き止めるまでに30年かかってしまった)そのあとサラダ、パコダ、刻みココナッツ入りケチャップ、マトンカリー、キーマ・カリー、ライス、アチャール、ライタが所狭しと乗ったステンレス製の四角いトレイが運ばれて来ます。そして最後に、チャイが付いて1450円ぐらいだったかなぁ? そしてある時初めて、今まであこがれだった、本物のインド人が、本当にカレーを手で食べている姿を目の前で目撃させて頂いたのです。アリーナ最前列で、リッチー・ブラックモアや、ブライアン・メイの指使いを見て唖然とするのと同じです。その指さばきの見事なこと。右手がお箸になり、しゃもじになり、コップになり、クレーンになり、スプーンになり、ナプキンにもなる。オー、マジックハンド!金縛り状態で見とれていると、そのお方が「あなたね、一度その金属の道具を使わずに食べてご覧、その方がずーと旨いから」と、笑いながらひと言。そのあとは「ほら、こうやって・・」と、教えてもらいながら一緒に手で食べたら、モーレツに旨かった。新世界。しっかし、本物に触れて感じて驚く楽しみは何事にも変え難く、素晴らしいもよのう。あのマジックハンド師匠はいま何処でどうしているだろうか。サインもらっとけば良かった・・。

渋谷 インデイラLinkIcon



ベンガルカレー(手前) カシミールカレー(奥)  幼稚園の頃から道玄坂をうろちょろ地回りしていたワタクシが知る限り、60年代後半、渋谷駅界隈で個性的で旨いカレーを出す店は「インデイラ」「ムルギー」そして渋谷東急プラザの地下1階食堂街にあって ”日本一旨いカレー” と言う、しびれるキャッチフレーズでおなじみだった「レストラン岡野」(とにかく旨くて大繁盛でした。現存する店で例えれば”大阪インデアンカレー”に一番近い味です。70年代後半に残念ながら閉店)の3軒だったと思います。70年代初頭には、東急東横店の最上階レストランに「ブルック」という英国カレー専門店がデビューしました。現在、中村屋が入っている場所です。早速食べに行ったら、これまた凄く旨かった。店を出てすぐに看板を振り返り、これがブリティッシュ・カレーというものかと記憶した覚えがあります。さて、本題の「インデイラ」は宮益坂を登る交差点の左下の角にあった店が本店だったと思います。小学生の頃ですが、東京都児童会館で遊び倒した帰り道、母に連れられて店に入ると、縦長の店内を白い割烹着を着た店員さんが右往左往していて、とっても活気がありとってもイイ匂いを漂わせていたインドカレー専門店でした。もちろん巷はどこへ行っても、こってりもっさりした小麦粉カレーで溢れ帰っていた時代です。今のインデイラは、ザラリと濃くて茶色いベンガルカレーと、サッパリ薄くて黄色いカシミールカレーの2種類が人気メニューだと思いますが、実は昔は違ったのです。サラッとしていて旨味があり、玉ねぎの食感も少し残してある、黄色いルーのチキンカレーが定番メニュー。現在、銀座ナイルレストランで食べられるような正当派チキンカレーがメインだったのです。それが旨くて旨くて。今のインデイラは何故かチェーン店の様相を呈していますが、かつて渋谷でインドカレーと言えばインデイラと言われた時代が存在していたのは事実です。その証人がワタクシ。これはもう信じてもらうしかないでしょう。実はこのインデイラの創始者は、大町礼と言う洋画家であります。もう亡くなられてしまいましたが、ワタクシが洋画に熱中していた頃、同じ展覧会で2度ほどご一緒させて頂いた事がありました。その時に大町さんもワタクシも、互いに賞を頂いたのですが、授賞式のレセプションの席で「あの〜、石田と申しますが、インデイラのカレーの大ファンです!」と挨拶したところ、太陽のような笑顔でギュッと握手をしてくださった記憶があります。みなさん良いですか? インデイラは、渋谷界隈でとびきり旨い大人気のインドカレー専門店だったのですよ〜。胸いっぱいの愛を込めて・・。









 どうしてこんなにカレーが好きなのでしょうねぇ・・。自分でもちょいとおかしいと思っております。寿司より、ステーキより、中華より、イタリアンやフレンチよりも、カレーが好き。好き嫌いはゼロなので、もちろん何でも美味しく頂きますが。なぜた、なぜだ、なぜだ、何故なんだ〜。と、壁に頭をぶつけても、正座して目を閉じ、心の深海へ、イエローサブマリンで潜ってみても、さっぱり分からぬ!気が付いたらそう身体になっていたのです。

何とか記憶を遡って思い出せたのは、小学生低学年の頃にやっていたテレビ番組「がっちり買いまショウ」で一気にブレイクした、オリエンタル・マースカレーに入っているチャツネのチューブを冷蔵庫からこっそり出して、チューチューすすっていた事ぐらい、までだ。なるほどこれが味の決め手なのかと・・。誰しも家で食べていたおふくろのカレーの味こそが原点と言うけれど、どうもそれだけではなかったのが解りました。

 
自力では解決に至らなかった故、ある日、母に「何でオレは、こんなにカレーが好きなのか、もしや祖先にインド人でもいるのでは?」と尋ねてみた。すると、母はしばらく遠くを見つめて「あ~〜、あれかも・・」とひと言。聞いてみると、母は赤ん坊のワタクシに初めて酸っぱいものを食べさせた瞬間、顔がギューッっと梅干のように縮んで行く様子を見て一家全員、涙を流して爆笑したらしのです。これはいつの時代でも、赤ちゃんを授かったファミリーの特権的な楽しみのひとつとして、おなじみですよね?

で、今度は辛いものを食べさせたらどんな顔をするんだろうと、3歳のワタクシを両親がご贔屓のカレー屋さんへ連れて行ったそうなのです。運ばれて来たカレーを前に、さ〜て今回はどんな顔をするか、興味津々ウッヒッヒッヒと、カレーをひとさじ口に入れてみた所、予想に反してシーンと黙ってしまったんだそうです。はて、何だこの無反応は。じっと見つめてると鼻をピクピクさせ赤ん坊の目にうっすら涙がにじみ始めた・・。むむっ、まさか喉に詰まったか?こりゃまずいと、指で口を開けてみたら中は空っぽ。あれれ?すると急にその赤ん坊は両手をペンギンのようにバタバタさせながら、口をツバメのように突き出し、もっとくれ、もっとくれ、とせがんだと言うのです。

母曰く、その時の顔はまるでロダンの考える人のように眉間にしわを寄せ、こんなに旨いものは今まで食べたことがないぞとでも言いたげな、赤ん坊らしからぬ複雑な表情に感じたのだそう。赤ちゃんの百面相、しかと見届けたり!そのままスプーンで何度も口まで運んだ末、お皿のカレーを半分平らげてしまったそうな。他の料理ではここまでの出来事は起こらなかったそう。へぇ〜そんな事があったのか。それだねそれ!これでやっと腑に落ちた。赤ん坊のスパイス・チャクラが開いちゃった記念日のお話でした。

 三つ子の魂、百まで。
 ありがとう、新宿 中村屋。

 家のカレーが旨かった。
最後の記憶、オリエンタル・マースカレー以来、物心がついてから家で市販のルーを溶かしたカレーを食べた記憶がまるでないのです。カレーだけは、母が玉ねぎを炒めて小麦粉抜きで作ってくれていたのだそうな。ありがたや、ありがたや。そしてその鍋の中へ、マースカレーのチャツネだけを取り出して絞って入れていたのです。チャツネだけ売ってれば良いのにね〜、なんて言いながら・・。

 でもまあ、これ、54年前の話ですから。(石田)

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